
広島県廿日市市は宮島のごみ問題に関する取組として、「宮島ごみ持ち帰りマナーアッププロジェクト」を11月23日(日)に実施した。
宮島のごみ問題解消のための取組

「宮島ごみ持ち帰りマナーアッププロジェクト」は「ごみは袋に、想い出は心に」をテーマに、来島者に手提げクリーンバッグを配布し、公共ごみ箱までのごみの持ち歩き・持ち帰りを呼びかけたイベント。
配布したクリーンバッグは、来島者に楽しくごみを持ち歩いてもらえるような、四季のもみじ柄をイメージしたデザインとした。実施日は紅葉の最盛期で、オリジナルクリーンバッグが宮島の景観に鮮やかに映えた。
宮島地域では、かねてより来島者数の増加や、テイクアウトなど店舗の業態変化により、島内のごみ問題が深刻化していた。そうした中、宮島地域では来島者のごみ対策の取り組みとして、ごみを「持ち込まない」「増やさない」「散らかさない」の3つの柱を掲げた。観光客のごみ捨てマナー啓発や、IoTスマートごみ箱の設置などにより、ごみの集め捨てに取り組んでいる。
ごみ歩きの協力者にノベルティ贈呈やクイズ会も実施
「宮島ごみ持ち帰りマナーアッププロジェクト」では、「ごみを散らかさない宮島」の実現に向け、地域と連携して、「散らかしごみゼロ」を目指すことを目的としている。
ごみの持ち歩きに協力した人には、帰りの際にノベルティのプレゼントを行ったほか、観光客を対象とした宮島の歴史やマナーを啓発する「旅先クイズ会」も合わせて実施した。


参加者からは、「テイクアウトのごみを入れる袋があって便利だった」「宮島らしい素敵な紅葉のデザイン袋で嬉しい」などの声が寄せられた。取り組みに対する印象について、参加者がシールを貼って答える形式のアンケートでは、多くの人から良い取り組みであると評価された。

また、同日には、共催団体である宮島観光協会、宮島地域コミュニティ推進協議会、宮島町商工会、宮島表参道商店街、廿日市市が一堂に会し、今回の取り組みについての記者会見も開催された。
クリーンバッグは宮島らしさを取り入れたデザインに

イベント当日は宮島桟橋前広場・厳島神社石鳥居前などで、手提げクリーンバッグの配布を実施。クリーンバッグは、 東京都渋谷区のビームス クリエイティブによるデザインのもと、宮島で回収されたペットボトルを一部再利用し、東京都台東区のシモジマが製作。一般的なポリ袋に比べてCO2排出量が約15パーセント削減され、環境負荷の低減に貢献する。
宮島らしさを象徴する、四季のもみじ柄をイメージしたデザインのクリーンバックは全4色。多くの人に持ち歩いてもらうことで、紅葉のグラデーションカラーが島内を彩ることを想像したデザインになっている。
廿日市市は、2023年より宮島の持つ自然、文化・歴史、守り人の想い・日常をいつくしみ、宮島で持続可能な観光地域をめざす「千年先も、いつくしむ。」プロジェクトを行っている。
今回のプロジェクトが宮島でのごみ対策を考えるきっかけのひとつになることをねらいとし、一人ひとりが「自分ごと」「皆んなごと」として取り組める対策を実施していくとしている。
ごみ問題の解決のために取り組みを続ける宮島の今後の挑戦にも注目したい。
■宮島ごみ持ち帰りマナーアッププロジェクト
実施場所:広島県廿日市市 宮島エリア
「千年先も、いつくしむ。」プロジェクトHP:https://another1000years-miyajima.jp
(淺野 陽介)